いざこざ 第二話
人集りに近寄ると、愕然とする事実が発覚する。
なんと、土下座している男(B)と自転車を支えて立って
絡まれている男(A)は同僚だ。
御開きしてからのこの短時間で何が起きたというのだ。
何事だろう?
仲間を見捨てるわけにもいかないので
躊躇(ちゅうちょ)なしで怯(ひる)むことなく、
「どうした?」と輪の中に入って行く。
相手は10人以上いる。
逆上している男達を見ていると最悪の場合、
乱闘騒ぎも免れないと思って、咄嗟の判断で
狼狽(うろた)えてオロオロしているYちゃんに
この場から離れるように伝え、
「警察を呼んでくれ」と頼んだ。
そしてYちゃんが遠ざかったのを確認してひとまず一安心。
女性に何かあったら大変だ。あとは、“なるようになれ”だ。
輪の中に入ると、地面に横たわっている男は、
暴力沙汰ではなくて酒に溺れ酔い潰れているらしく
嘔吐した汚物とともにネンネしていると判った。
更に、逆上している強面(こわもて)の2,3人以外は、
みんな好い人そうだと気付いた。
昔仲間の同窓会だろうか?
30歳位で人間模様にばらつきがある。
事情を聞くと、軽快に酔っ払った同僚のAとCが
自転車を2人乗りしている最中に、地面の男に気付かずに
轢(ひ)いてしまったという。
嘘だろ、オイ!気付けってば!まったく、もう!
何やってんだよ~。やれやれ。
信じ難い話だったので、Aに真相を確かめると
「轢いたのは事実だ」というので、悪いのはこっちだから
仕方ないと僕も覚悟を決めた。
諦めて、土下座しているBの隣に僕も土下座しようと
腰を下ろそうとした時に、相手の仲間の電話が鳴った。
理由は判らないけれど、その瞬間に空気が変わったようだ。
繋がらなくて待ち望んでいたらしい。
倒れている男と関係があるか何かだろう・・・。
つづく




コメント