いざこざ 第三話
神の御加護か?その電話によって、事態は収束に向かった。
まわりの好い人そうな仲間が
「もういいから行っていいよ。」と僕の背中を押した。
僕とAとBは、深く陳謝してその場を去った。
最後の最後まで逆上した男はAに罵声を浴びせ続けていた・・・。
しばらくすると、2人乗りの後ろに乗っていたCが
ひょっこり現れ出て、一部始終を見ていたらしく
「平馬さんが来なかったら大変なことになっていましたよ」と
呑気に言った。一体、お前は何処に行っていたんだ!
AのためにBは土下座までしているというのに・・・。
もう、とっくに大変なことになってるってば!
警察を呼びに行ったはずのYちゃんはというと、
慌てふためき交番を探したものの見つからず終(じま)いで、
電話しても繋がらなかったと言って戻ってきた。
発信履歴を見たら100番だった・・・。
OH!NO! あのね-。お巡りさんは、110番だっつーの!
余っ程、焦っていたんだろう。
でもね-、繋がらないはずないってば!
それから、人を轢いたというから
前輪がぶつかった程度だと思いきや
何と、物の見事にニケツの自転車は、
前輪と後輪で胴体を乗り越えたらしい。
ありえない。
1人ならまだしも2人分の体重で・・・。
そりゃあ、あっちも怒るって。
怖いお兄さん達の怒り様も分からないでもない。
やれやれ。
何はともあれ、暴力事件に発展しないで済んで
よかった、よかった。
帰り道、184cmの大きなガタイに生んでくれた母親に感謝した
あちらサイドも、学生を相手にしていると思ったら、
僕みたいなのが出てきたので面を食らったことだろう。
ジャージ姿に、黒の革ジャンを羽織り、
無精髭を多く生やした40前の僕は、
どこからどう見ても怖くて悪そうだったに違いない・・・。
おしまい




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