ミラーニューロン -あくびがうつるわけ-
脳科学に興味がある人は、
最近メディアで頻繁に「ミラーニューロン(ミラー細胞)」の話が
取り上げられているのを目(耳)にしているだろう。
ミラーニューロンが発見されたときの話がなかなか面白い。
1991年夏のある暑い日のこと。
現代的な神経科学研究室で、サルが一匹、霊長類専用の椅子に
背筋を伸ばして座り、研究者たちがランチから戻ってくるのを
待っている。サルの脳の運動計画と実施を司る領域には、
電極が埋め込まれている。
このサルが物をつかんだり動かしたりするたびに、
その脳領域にある神経細胞のどれかが発火し、
細いワイヤーで電極に接続されているモニタが音を記録する。
ビー、ビー、ビー。
運動前野各部のニューロン信号を傍受して、腕を伸ばす、
指を曲げる、カップをつかむといった動作を支えている
ニューロン回路を見つけようと考えたわけだ。
この日、ひとりの大学院生がコーン・アイスを片手に、
ふらりと研究室に入ってきた。
部屋の向こうからサルがまじまじと見つめてくる。
学生もちらりとサルに目をやる。いつものことだ。
ところが、学生がアイスクリームをなめようと
口にコーンを運んだとたん、驚くべきことが起こった。
モニタから音がする。
ビー、ビー、ビー。
でも、サルは動かなかったじゃないか!
コーンをつかんだ手を口に運ぶのを見ていただけだ。
運動細胞がしているにしては、何ともおかしなことに思えた。
ウケるネ!
こうして、ミラーニューロンの存在が明らかになった・・・。
つづく




コメント