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2009年3月23日 (月)

生きるヒント

江戸時代屈指の名君と讃えられた
上杉鷹山(ようざん)は言った。

「為(な)せば成る 
為さねば成らぬ何事も
成らぬは人の為さぬなりけり」

どの時代にあっても、これほどの名文句はない
と師は言い切る。

江戸時代まで、ヨーロッパとアメリカに比べて
日本の技術的な近代化が遅れた原因は、
鎖国の構造そのものにあるのではなかった。
ほとんどの知識は、長崎に入っていた。
ところが大半の日本人はそうした知識の進歩にあまり頓着せず、
江戸時代までは、技や術を「楽しむ」ことに知恵を絞った。

(中略)

城下の職人たちも、業を磨き、技を磨き、芸術の民とはなったが
お茶汲み人形のように精巧な
からくり人形というロボットを実現しながら
その先へ進まなかった。
メカニズムには強くとも、原理の追求、
つまり科学という発想をもとうとしなかった。
不思議な現象を見て、まっすぐ突進すれば
どこまで事実を解明できるかと言う世界に
日本人は深入りしなかった。
勿論そうした人間もいたが、ほとんど相手にされなかった。
だからこそ、まっすぐでなく、
横にひろがりを持つことに悦びを覚え、
衣食住の彩りを豊かにする芸術がふくよかに育った。
芸術とは合理主義から見れば、無駄そのものである。
だからこそ、奥の深い愉しみとなる。

花を愛でる。

和歌を詠む。

琴を奏でる。

茶を嗜(たしな)む。

温泉に遊ぶ。

酒に酔う。

それが何のためになる、と尋ねられて
合理的な答があろうはずがない。
静寂の中に悠然と味わう美が、人生の真髄なのである。

師の背中を追おう・・・・。

僕は、幸せだ。

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